人も本も

おそばせながら1月に出た「BOOK5」11号をようやく購入。この雑誌は私にとって「彷書月刊」が休刊後の喪失感を補って有り余る、隔月と言わず毎月出てほしい雑誌です。今回の特集は片岡義男。角川文庫の赤い背表紙が懐かしい。10代のころバイクに乗りたいと思っていたのはきっと片岡義男の影響です。残念ながら二輪免許取りそびれましたが。あの本たちまだ実家にあるのだろうか。リレー連載の「本屋さんへの道のりで」は江東区森下の古書ほんの木さんが書いています。東京にいた八年間のうち半分は清澄白河に住み、森下に職場があったので懐かしすぎます。あのころは全然なかった古本屋が現在は7店舗もあるなんて岐阜に戻ってくるのが早すぎたかなとちょっと後悔。のらくろ〜ドには勝山書店という小さな新刊書店がありここでタウン誌「深川」などを入手していたのですがまだあるのかな。ほんの木さんが紹介しているところ以外にこの地域のおすすめとしては建築物。清澄長屋が清澄寮などが今なおモダンさを発揮していますし、新しい建物でもヨーガンレールが蔦におおわれてオシャレで散歩していて思わず足を止めてしまいます。これで古本屋もあるのだから最強の街の一つになりましたよ。
先日の出張では立ち寄れませんでしたが次回こそは久しぶりに歩いてみたいものです。
というわけで最近買った本は下記の通り。『佐藤泰志 生の輝きを求めつづけた作家』には岐阜の詩人金子彰子さんも書かれています。『野尻抱影』は神保町のスーパー源氏古書モール店の岡崎武志堂の棚から買ったもの。佐藤泰志は岡崎さんの著作から存在を知り、金子彰子さんも岡崎さんを通じて知り合いになったのでした。人も本も次々とつながっていきます。ありがたいことです。

福間健二監修『佐藤泰志 生の輝きを求めつづけた作家』河出書房新社
「BOOK5」11号
荒俣宏パラノイア創造史』ちくま文庫
出久根達郎『犬大将ビッキ』中公文庫
花森安治『暮しの眼鏡』中公文庫
石田五郎『野尻抱影』リブロポート
仲畑貴志『この骨董が、アナタです』講談社文庫
藤沢周平『小説の周辺』文春文庫
吉田健一『私の食物誌』中公文庫
「古本屋」終刊第10号