栴檀は双葉より芳し、では一葉は二葉より……
『山中共古ノート』からのつながりで山口昌男『内田魯庵山脈』を再読。この本は歴史上の表面に出てこない人物たちを魯庵を円心として描いていく名著なのですが人名だけで膨大な数が出てきます。前回読んだときは素通りしていたのですが今回引っかかった名前は……樋口二葉……
一瞬ただの誤植かと思いました。一葉の。本気で名乗ったのか冗談なのか……しかし、一葉フアンには相当嫌がられたでしょうね。一葉に対して平静でいられない斎藤緑雨とかがこの名前を見つけていたらただ事じゃすまなかった気がしますがどうなんでしょう。
購入本
野呂邦暢『野呂邦暢小説集成6 猟銃・愛についてのデッサン』文遊社
このシリーズのようやく6巻までたどりつきました。文遊社のサイトによると全9巻の予定。完結する前に当方の財政が破たんするかもと慄きながら買い集めています。高いんだよな〜でも野呂の本を古本で集めるよりは安くつくはずです。コバルト文庫で出ている「文彦の戦い」や「水瓶座の少女」なんかネットで価格調べるとぞっとしますからね。あと単行本未収録作も魅力的。