今年最後の涙

気が付けば今年もあと一日を過ごすのみ。年をとればとるほど時間は急流となり来年はさらに無為に過ごすことなるでしょう。それもまた一生。
とまあ悟ったような書き出しですがそんなできた人間でないのはご存知の通りなので年末はあたふたと掃除をしたり映画を見たり。「レ・ミゼラブル」はミュージカルを映画に仕立てただけの安易な作りでやたらとアップで歌うだけの映画なのですが駄目です、条件反射的に泣いてしまうのです。ユゴーの原作も通俗すぎるとかミュージカルに収めるためにストーリーを端折りすぎると言われても「アラフォーおやじが泣いて悪いか!」と開き直るしかないほどこの物語は涙腺を刺激してきます。ポイントは二つ、ミリエル司教に食器だけでなく燭台も与えられ正しい道を歩みなさいと諭されるところと、最後に告白書を渡して天に召されるところ。まあ、こんなことは自分だけでしょうけど。

例によって購入した本を書くのをため込んでいました。
あと何買ったっけな。
丸谷才一『快楽としての読書 日本篇』『快楽としての読書 海外篇』『快楽としてのミステリー』ちくま文庫
新田次郎『縦走路』新潮文庫、『密航船水安丸』講談社文庫
宮沢清六『兄のトランク』ちくま文庫
松本清張『両像・森鷗外文藝春秋
平山三郎『詩琴酒の人 百鬼園物語』小澤書店、『百鬼園先生雑記帳』三笠書房
山本善行『定本古本泣き笑い日記』みずのわ出版
『冬の本』夏葉社
「デコシャ2 旅のツヅキ」デコ社
茂木大輔『はみだしオケマン挑戦記』中公文庫
川又一英『ヒゲのウヰスキー誕生す』新潮文庫

丸谷才一の書評本は次々と本が読みたくなる困った本です。カルヴィーノは読み返したくなり実家から何冊もとってくることになり松本清張もそれで買ってしまいました。
山本善行さんの本はゲラを読ませてもらったりしていたので何カ月も待ちかねてようやく出版されましたが購入すると一気読みで、さらにすぐ再読。たぶんこれから何度も読み返すことになる本です。『冬の本』と「デコシャ2」は撫でまわしたくなるくらい素晴らしい本。これを宝物のようにそっと抱いて眠りたいくらい。
今年もいい本にたくさん出会えました。来年も資金の続く限り本を買います。
それでは皆様よいお年を。